みなさん、こんにちは!
「監督が怒ってはいけない大会」の吉武です。
さて、今日は、当日午後のサッカーの試合についてです。
この大会では、いくつかの「特別ルール」が存在します。
それはどんなルールなのでしょうか?
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スポーツを通じた子どもの成長を
考えるためのニュースレター #4
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そのひとつめが、「全員同等のプレーイングタイム」。
すべての試合において、全員が出場するだけでなく、出場時間も均等にしてください。
これは、「試合を楽しむ権利は、参加する子ども全員が享受するべきもの」という考えに基づいています。
試合は、練習に比べ、楽しさだけではなく、真剣度や勝った時の嬉しさや負けた時の悔しさも大きいですよね。
試合の方が、子どもたちの心の成長度合いも大きいと言えそうです。
日本では、サッカーに限らず、あらゆるスポーツにおいて、「うまくない子は試合に出られない」というケースが散見されます。
これって、よく考えると、大人たちの「勝ちたい」という都合で、子どもたちの「試合を楽しむ権利」「成長する権利」を奪われていると言えないでしょうか。
「補欠問題」と呼ばれ、これこそ、勝利至上主義です。
学校では、成績が良くないからと言って、授業を受けさせてもらえないことはないですよね。
日本では「誰もが教育を受ける権利がある」は常識です。
でも、その考え方は、まだスポーツには及んでいません。
ちなみに、他の先進国の多くでは、スポーツも学校教育と同じように捉えられています。
ですから、誰もに参加する権利があるとされ、特に小学生年代ではチーム全員が公式戦に出場します。
「全員同等のプレーイングタイム」というルールは、このような考え方を背景としています。
全チーム共通のルールですので、その上でどう勝つかを考えてみてください!
あ、でも、キーパーがひとりしかいない、「疲れたー」「足痛い」などで出たくない選手がいるなどの理由であれば、出場時間に差がついても問題ありません。
アフターマッチファンクションの様子(写真は中学生)。全試合、終了後に両チームの選手が集まって、ファシリテーターのもとミーティングをします。トピックは試合の振り返りのほか、自己紹介や普段の練習や学校のこと、年末年始の過ごし方などなど。サッカーを通して、交流の輪が広がると良いですね。
ふたつめは、「アフターマッチファンクション」です。
毎試合後、両チームの全選手が集まって、ミーティングを行います。
この「アフターマッチファンクション」、ラグビーファンなら聞いたことがあるのではないでしょうか。
もともとは、イギリスにおけるラグビーの慣習で、試合後の対戦チーム同士の「交歓会」です。
ラグビー用語では「ノーサイド」が有名ですが、そのノーサイドを行う会であり、両チームが試合の振り返りをしながら、お酒を飲んで親交を深めます。
今回、この縮小版を5~10分程度で開催します。
対戦相手へのリスペクトもスポーツマンシップの要素のひとつですよね。
でも、試合に負けたりすると、「むかつく」「あれはファールだった」「ずるい」なんていう言葉が出たりしていませんか?
試合後に相手と話をするだけでも、そんなネガティブな感情は収まり、何かしらのリスペクトが芽生えるもの。
相手チームを「敵」ではなく、一緒に試合を楽しんだ「サッカー仲間」と捉えられるようになればと思います。
また、コミュニケーション能力やリーダーシップを育むきっかけになればとも考えています。
初めて会う人たちの前で話しをするのは苦手、という子もいることでしょう。
でも、今後とても大事なスキルですし、大好きなサッカーについてなら話してみたいと思うかもしれません。
こうした機会を利用して、少しずつでも、小さな成功体験を積んでいければと思います。